井上篤夫 「志高く 孫正義伝」

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    孫正義さんの書は、

    最近では書店に『あんぽん 孫正義伝』が平積みされているのを見ますが、

    今回は、井上篤夫さんの著者『志高く 孫正義伝』をご紹介します。



    この本に目を通すまで、僕の思う孫正義さんは

    「いつもニコニコしている無邪気なおじさん」でした。

    もちろん、

    普通の人にはなかなか出来ないことを成し遂げてきたというのは知っていましたが、

    やはり「孫正義さんのイメージは?」と聞かれるとニコニコしてるおじさんでした。

    ところが、

    この本を通して学生時代から現在までの思考、行動、着眼点の凄さを知れば知るほど

    「ニコニコおじさん」とはかけ離れたものがありました。





    孫さんには15歳下の泰蔵さんという弟がいます。

    その泰蔵さんは孫さんのことを


    「人一倍、手堅いと思います。でも、橋を渡ると決めたらダンプカーで進む」


    と表しています。


    この本にある孫さんは、

    まさに、この「ダンプカー」という表現が

    なるほどぴったり当てはまる気がしました。



    その泰蔵さんが受験勉強をする際に、

    孫さんが教えた計画表の付け方に僕は興味を持ちました。


    365日を12(月)ではなく14で割り、

    本来なら1カ月かかることを、1年の14分の1、つまり26日間で終わらせるという方法です。

    その1カ月に空いた4、5日を予備日にすることで精神的に余裕が生まれ、

    仕事の能率もあがるというのです。

    また、計画表の進行状況に色で印をつけ、

    途中までしか出来なかった部分に対し、なぜ出来なかったのかをしっかりと分析し、

    最終的にすべてを完了させる計画表にしないといけないということです。

    「中途半端」という言葉を孫さんは持ち合わせていないのでしょう。





    もちろん「孫正義伝」なので、

    少年時代からアメリカでの学生時代、

    そして事業家として挑戦しつづけた波乱にみちたエピソードを

    この一冊で知ることができます。



    そして最後に、

    【解説】でファーストリテイリングの柳井正さんが

    「この本を読んで感心するだけではだめ、感動したのなら行動してほしい」

    「私は脇役や傍観者では、生きている意味がないと思います」と書いています。

    本当にその通りで、ドキッとしてしまいました。

    日本人特有の勉強ばかりの頭でっかちにならないよう、しっかり行動し

    少しでも(少しと言ってる時点で駄目かもしれませんが)

    全力で前に進みたいと思います!






    バレンタイン、市場調査

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      先日、バレンタインの市場調査に行って来ました。


      今年は「友チョコ」という言葉が浸透し、例年以上に盛り上がっていたと思います。

      なかでも面白かったのが百貨店。

      それぞれのウリをしっかりと打ち出し、

      「どこに行っても一緒」という感じがあまりしませんでした。



      ベタやなぁ〜とは思ったのですが、わかりやすくて面白いと感じたのが

      阪神百貨店の「チョコレート総選挙」。

      さすが大阪、話題のものは何でも乗っかれ精神が感じられたのですが、

      順位が決まるからか売り場がいつも以上に活気があり、

      こんな単純なことで売り場の雰囲気を変えることができるのか、と感心してしまいました。


      こういう現象を見ていると、

      難しく考えすぎて消費者に伝わりづらいものよりも

      少々ダサくても、よりわかりやすくシンプルに心に響かせることが、

      良いマーケティングを生み出すひとつの方法なのだと

      あらためて感じずにはいられませんでした。




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      僕の大好きな「ドゥバイヨル」のバレンタイン用チョコレート。

      チョコレートはもちろん美味しいのですが、

      毎年でてくる新しいパッケージに、いつも心ときめいています。




      「友チョコ」効果もあってか、

      昨年までは百貨店に行ってもまったく相手にされてなかったのですが、

      今年は男の僕にもたくさんの売り場の方が、“お客さん”扱いしてくれたので

      とてもうれしかったです。





      ヒット商品のデザイン戦略を解剖する

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        僕はデザイナーという職業柄か、

        駅構内に貼っているポスターや

        スーパーに置いているパッケージ商品などを目にすると、

        どういった経緯をふんでこの「形」になったのかを考える癖があります。

        まさに「デザイン戦略を解剖する」です。


        本書はヒット商品を手掛けたクライアントさんやデザイナーの声に、

        出来るまでの背景に加えビジュアル例も交えて、

        「売れる商品の仕掛け」を深く掘り下げながら紹介されています。

        (ビジュアル例は、全てカラー写真で載っています)



        内容を少し紹介しますと、

        ソフトバンクが携帯電話事業に参入する際、

        短期間で永続的なブランドを築き上げた方法や、

        低迷する地場産業を復興させた「今治タオルプロジェクト」、

        品質が売上に結びついていない商品をパッケージの力で蘇らせた理研ビタミンの

        ノンオイルドレッシングやドトールコーヒーのプレミアムビーンズコレクションなどなど、

        ヒット商品の「戦略」の一部をこの一冊で知ることが出来ます。




        あとがきで、デザイナーのポール・ランドさんの言葉が紹介されていました。


        「よいデザインはそれがいつ生まれたものかに関わらず、いつまでもいいものだ」


        「日清カップヌードル」を見る度に、

        ここまでパッケージ自身が存在感をもち、並べているだけで広告にもなっている、

        こんな素晴らしい商品は他にあるだろうか、

        僕もこんなデザインを作りたい!という気持ちにさせられます。

        (本書ではカップヌードルは紹介されていません)


        デザイナー向けといったかたよった感じもなく、

        どんなお仕事にもヒントになるであろう言葉がちりばめられている本書、

        お手にしてみてください。




        映画「アンダーグラウンド」サウンドトラック

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          今回は、ある映画のサントラを紹介します。



          ナチスドイツ占領下のセルビアを舞台に、敵の目をあざむく為、地下空間に避難し

          戦争が終結した後も50年もの間、地下生活を続けた人々のお話。


          1995年にカンヌ国際映画祭でパルムドール大賞に輝いた映画、

          「アンダーグラウンド」です。




          監督のエミール・クストリッツァと作曲家のゴラン・ブレゴヴィッチは、

          ともに旧ユーゴスラビア出身で、母国の悲しい歴史に向き合った作品となっています。


          この映画で流れている音楽はロマ(ジプシー)系のパワフルなブラスバンドを中心に

          民族音楽を現代風にアレンジした、いい意味でやりたい放題の「弾け飛んだ」力作です。



          このサントラを聴いていると、

          どこか異空間に迷い込んだかのような不思議な感覚におちいります。

          第二次世界大戦、そして内戦時の話なので

          内容はあまり「HAPPY」とは言えない、胸が苦しくなるような展開ではありますが、

          滑稽な(?)演出に、この「音」が入ることによって、悲しいながらもどこか抜けていて

          更には力強さも加わって、

          見事に「映像」と「音楽」がマッチしていると感じさせられます。


          僕個人の意見としては映像がなくても、このサントラを楽しめ、

          大袈裟ではなく聴いた後の余韻は強烈で

          2、3日は頭の中で何度も何度も流れ続けます。

          それが、まったく嫌な気がしない。

          デザイナーである僕としては、

          こういった「究極」の作品に出会うたび、いろいろと考えされられます。



          パワフルでありながら、繊細な部分も顔を出すこの不思議なサントラは、

          とてもお勧めです。映像を見なくても本当に楽しめますよ。

          (クセのない、あっさりした音楽が好きという方にはお勧めしにくいですが・・・)





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