昨年、日本航空を再建すべく会長となった稲盛和夫さんの著書です。
冒頭から、最近の日本の職業に対する核心をつく言葉があります。
『今多くの人が「働くこと」の根源的な意味を見失い、
「働くこと」そのものに、真正面から向き合っていないように思うのです。(中略)
働くことの意義を理解し、一生懸命に働くことで、
「幸福な人生」を送ることができることをー』
まさに、この本書では、働く理由を見いだせない人に
稲盛さんの実体験を交えて、稲盛さんが考える「働き方」というものを
わかりやすく解説されています。
この「働き方」、「働く意義」というものは本書で語られている
『「純粋で美しい思いを強く抱き、誰にも負けない努力を重ねることができれば、
どんなに難しい目標も必ず実現することができる」』
この言葉にすべてが集約されている気がします。
さらに稲盛さんは、能力が低くても「熱意」「努力」、そして「プラスに働く考え方」を
持っている人間は、大きな成果をあげる可能性を持っているとおっしゃっています。
それを「人生の方程式」というもので表現されているのが、とても興味深く感じました。
ただ一般的に使われる「熱意、努力」と稲盛さんが使うそれとは
少し違うような気がします。それは稲盛さんの言葉にあらわれています。
『ベストでなくパーフェクトを目指す』
『完璧な仕事とはどのようなものか』
『仕事ができる人というのは、完璧主義を貫く』
『いつも百メートル競争のつもりで走れ』
『掃除に真正面から真剣に、そして創造的に取り組む』などなど。
よく聞くような言葉かもしれませんが、
すべてに関して自分自身を本当に極限まで追い込んでの「熱意であり努力」こそが、
「真の成功」のために必要な「努力」かもしれないですね。
その他にも、ここまでひとつひとつのものに深く情熱を持って仕事をしている人が
はたしてどれくらいいるだろう?と思ってしまうくらい稲盛さんは
仕事に対して、本当に真摯に向き合っているなぁと強く感じました。
(あらためて言うことではないのですが...)
僕も自分なりに、仕事に一生懸命取り組んでいますが、
こういう、結果を残してきた人の著書を読むたび、
まだまだやれることがあるなぁと感じさせらます。