朝永久見雄 「セブン&アイHLDGS. 9兆円企業の秘密」

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    売上げ9兆円、114社(2013年時点)で構成される

    巨大流通企業セブン&アイ・ホールディングス全体の

    隠れた秘密を解き明かした一冊をご紹介します。

     

    本書は2013年に発売されているため最新情報ではないのですが、

    セブンイレブン、イトーヨーカ堂だけでなく他のグループ全体の価値と、

    それぞれの特徴が紹介されています。

     

     

     

    あらためてご紹介する必要もないくらいの経営手腕の持ち主、

    セブン&アイ・ホールディングスを作り上げた鈴木敏文氏の凄さについてもふれています。

    一部では批判的な意見も聞こえてくる鈴木氏ですが、

    本書を読んでいるとあらためて、そのチカラに感心させられます。

     

     

    ちなみに本書のサブタイトルは「世界最強オムニチャネルへの挑戦」。

    次々と新しいことに挑戦しているセブン&アイ・ホールディングスが

    2015年からスタートさせた総合通販サイト「オムニ7」。

    アマゾンや楽天などのネットショッピングと同じで

    欲しいものをネット注文をするのですが、

    全国のセブンイレブンでいつでも受取可能で、

    百貨店商品、デニーズの出前、テイクアウトまであり、

    だいたいのものはここでほぼ揃うといってもいいかもしれません。

    それでも

    そこまで消費者に浸透しきれていないのは、これからの課題かもしれません。

     

     

    なお、本書ではそこまで『オムニチャネル』のことは深く掘り下げてはいません。

    オムニチャネルに関する情報を知りたいのでしたら、

    この本はむいていないかもしれません。

     

     

    この非常に流れの早い現代で

    今後どう進化し、次にどんな新しいアイデアを出して来るのか、とても楽しみな企業です。

     

     

     

     


    大住 力 「ディズニーの現場力」

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      著者である大住さんは、
      約20年間、オリエンタルランドでディズニーランドの最前線から中枢まで
      さまざまな仕事を経験してきた方です。
       
      その著者がディズニーランドで培ったノウハウを紹介されています。

       
      すでに知っている人も多いかもしれないですが、
      ディズニーランド内でキビキビ働くキャストとよばれる9割の方はアルバイトらしいです。
       
      ではなぜアルバイトにもかかわらず、(別にアルバイトの方々をばかにしてるわけではないですよ!)
      みんながみんな、あそこまで完璧な動きを見せることができるのかというと、
      作業手順を徹底し、だれでも同じ結果を生むマニュアルがあるかららしいです。
      その徹底したルールの中で
      更に一人一人がちゃんと考えて行動する仕組みをつくっているところに素晴らしさを感じました。
      仕組みづくりだけなら、少し頑張って考えればできないことはないとは思うのですが
      結果、成果を残せていることに、素直にすごいと思わされます。


       
      それと、僕が一番印象に残ったウォルトディズニーの言葉、

      「なぜ、自分がこの仕事をしているのか?」

      「なぜ、この仕事があるのか?」

      「なぜ、たくさんの人がいるなかで、私がその仕事をしているのか?」

      それを考え続けなさい。


       
      誰もが感じつつも、あまりそこを突き詰めずについ流してしまう問いだと思います。
       
      著者の大住さんも、自分自身や会社の真の役割、原点を
      つねに意識しながら働くことが大切と書かれています。

       
      僕もぶれずにしっかりそのことを突き詰めていきたいと
      あらためて感じました。


       

      中西孝樹 「トヨタ対VW 2020年の覇者をめざす最強企業」

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        しばらく休憩していた「いいな」と感じたモノ、コト。

        再開します。


        いまや、世界の自動車メーカーのトップと言われるまでになったトヨタと、
        卓越した経営スタイルで近年、圧倒的な力をつけてきたフォルクスワーゲン。

        この両社の歩んできた時代背景、経営戦略、そしてどこに向かっているかを
        とてもわかりやすく解説された一冊となっています。



         
        米国と東南アジアに強く、ハイブリッドに比重をおき、
        「ものづくりと人づくり」で内部成長を重んじるトヨタに対し、
        フォルクスワーゲンは欧州と中国に強く、
        ディーゼルエンジン、直噴小排気過給ガソリンエンジンに重きを置き、
        外部成長を得意とする。

         
        うまく棲み分けできていたまったく性質の違う会社が、
        近い将来、激突するであろうと著者は述べています。


        いち日本人としてはトヨタに頑張ってほしいとは思うものの、
        世界的にみると、
        フォルクスワーゲンの経営方針の方が
        現代社会にあっているのでは?と少し感じました。
        しかし、トヨタの「ものづくりと人づくり」。
        今の日本をつくるために昔の人たちが大切にしてきたであろう、
        この言葉を個人的には重要視しています。


         
        トヨタとフォルクスワーゲンだけでなく、
        他の自動車メーカーの簡単な歴史やそれぞれの方針、ビジョンについても紹介されています。

         
        車に興味がなくても、違う職種に置き換えて読んでみても面白いと感じました。


         

        大友達也 「わがボス 中内㓛との1万日」

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          著者の大友さんは、

          ダイエーの創始者、中内㓛さんのそばで初代秘書、広報課長として

          38年間尽くしてきた方です。



          この本を手にしたとき、僕はてっきり

          「いかに中内㓛はすごかったのか」ということを

          38年間そばで見てきた大友さんならではの

          話が読めるかと思っていましたが、

          むしろその逆で、

          「中内さんがダイエーを経営難に追い込んだ」ともとれる話や

          上に立つ人間がとるべきではないと思われる

          行動、発言の数々が書かれています。


          この本では終始、中内さんを批判しているような内容ですが、

          よくある暴露本といった類のものではなく、

          中内さんに愛情を感じていたからこそ、

          ダイエーと中内さんの浮き沈みを

          鮮明に綴っているのではないだろうかと感じました。

          (あくまで、僕のかってな解釈ですが)



          正直、読んでいてあまり気分のよくなれる本ではありませんでした。

          ので、

          ここにご紹介するのはどうかとも思いましたが、

          良い部分ばかりを紹介するこの手の本とは違って、

          中内さんのそばで尽くしてきた人が語る

          そのリアリティーあふれる内容には

          読む価値があるのではと思ったので

          ご紹介させていただきました。




          柳井正 「現実を視よ」

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            2010年、GDPが中国に抜かれ、世界第二位の座を奪われた日本。

            圧倒的な強さを誇っていた家電製品もサムスンやLGに遅れをとり、貧困率もあがり...。

            20年前の日本からは、とても想像もつかなかった現実が今、襲っています。

            そんな状況に危機感を感じたユニクロの柳井正さんが、

            1人でも多くの日本人にその危機的状況を理解してほしい、

            そして誇れる日本を取り戻すために何をすべきかを1人1人が考え抜いてほしいと思い、

            書き上げたのが、この「現実を視よ」です。



            この本の中で柳井さんはかなり政治の批判をしています。

            本人も書いていますが、経営者にとって政治批判は

            マイナスに働く恐れがあると思うのですが、

            そのリスクを背負ってでも、伝えたいという覚悟がこの一冊からすごく伝わってきます。


            もちろん、政治批判だけでなく、

            今の日本のリアルな現状がとてもわかりやすく書かれており、

            これを読んでなにも感じない日本人はあまりいないのではないでしょうか。

            その他にも柳井さんが考える日本が復活するために必要な考え方やとるべき行動、

            そして柳井さんの経営理念や経験談も書かれています。



            そして最後にもう一つ。

            ファースリテイリングの今年度のスローガン。

            「志を持って生きよ」

            この言葉が日本人みんなの胸にしっかりしみ渡り、

            他人まかせでなく自分自身が行動を起こせば、

            この国はいい方向に変われるような気がします。

            出来るだけ多くの日本人が読むべき一冊だと思いました。


            がんばらねば!!




            人はなぜ「死んだ馬」に乗り続けるのか?

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               大変、大変ご無沙汰しています。

              久しぶりに、気になった本を紹介させていただきます。




              さて、

              みなさんはレコード店やCD SHOPなどで

              『ジャケ買い』をした経験、ないですか? 

              ジャケットだけを見て、

              「歌ってる人知らんし、どんな曲かもよくわからんけど、なんか良さそうやなぁ」

              といって、つい購入してしまうアレです。


              今回、まさにそれと同じで『ジャケ(?)買い』をしたのが、この本です。

              まず、ブックデザインが目に止まり、

              その次に不思議なタイトルに興味をそそられ、

              手にとって開いてみたら、5ページほど続く面白い始まり方。

              そして個人的に一番、気になったのが中身のレイアウト。

              文章が両サイドギリギリまであるにもかかわらず、下にはたっぷり余白が。

              (わかりずらいですが下の写真参照)

              ものすごく新鮮さを感じ、

              「こんな切り口でせめてくるこの本はなんや⁉」と、

              ろくに内容も確認せずにレジに向かいました。

              まさに『ジャケ買い』でした。




              内容は基本的に「転職」をしたい人の背中を押す、というもので、

              著者の転職コーチング専門家(そんな専門家がいたんですね)、トム•ディースブロックが

              心理学の知識を駆使して、

              仕事を「死んだ馬」に例えて、

              転職に踏み切れない人の傾向と

              そういう人たちはどうすべきかを、

              わかりやすい言葉に実例を交えて紹介されています。


              転職にはあまり興味のない僕ですが(今のところ…(笑))、

              転職に限らず、あらためて自分の仕事と向き合い直せる良い本だと思いました。


              にしても、

              今回のような『ジャケ買い』をされるような

              素敵なデザインがつくれるように、もっと頑張らないと!と、

              本書の内容以上に、とても良い刺激を与えてくれた1冊でした。。。


              人を惹きつける可能性を持っている仕事についている僕は恵まれていますね。



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              高橋宣之 「発想ノート」

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                「考え方」

                「考える姿勢」

                「考える意味」



                この著書はビジネスでの企画を進めて行く上で、

                いかに「考える」ということが大切かを教えてくれています。

                大袈裟に言ってしまえば、


                「質の高い仕事をするためには考えよう!」


                著者が言いたいことは、このことに尽きるように感じました。

                だからこそシンブルな分、重みを感じました。



                著者は元博報堂制作部長の高橋宣之さん。

                この著書を読んでいると、

                一貫して頭の柔らかい考え方を持つ高橋さんに、

                とても好感がもてました。



                この著書について

                もう少し内容を掘り下げると、

                ビジネスでの課題解決力を身につけるために

                日頃からとるべき行動(そのときの考え方と考える姿勢)の提案、

                プランニングする上で必要となる考え方とその準備などが、

                シンブルにも関わらずかなり核心をつく、

                ためになるアドバイスの数々が紹介されていて、

                とてもわかりやすい内容となっています。



                僕も普段からもちろん、

                知識と知恵と準備を総動員させた上で

                プランニングを行っているつもりですが、

                この本を読んでいると

                まだまだもっと質の高いプランニングができる!

                と感じさせてくれる気持ちの良い一冊でした。




                河合拓 「ブランドで競争する技術」

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                  この著書は、

                  よく平積みされている

                  「どの業界にも対応できるやさしいビジネス本!」というより、

                  一歩踏み込んで、

                  実務家たちが競争に勝つための

                  さまざまな実践的な戦略理論が紹介されています。


                  著者がファッション業界に数多くかかわってきたからか、

                  あげられている実例の多くがアパレル企業を中心に書かれていますが、

                  読みようにとっては、他の業界でも

                  ヒントになる戦略が数多く書かれていると感じました。





                  まず、著者は「ブランド」を戦略として打ち出すためには、

                  ある3つの価値を確立し、

                  競合との差別化を行うべきとのべています。


                  その「3つの価値」とは


                  ●商品そのものが持つ「機能価値」

                  ●地場の顧客に対する特定の販売員によるサービスや、

                   eコマースによる「サービス価値」

                  ●ブランドが持つストーリーや伝統など

                   顧客がブランドに支払うプレミアム価格を引き出す「イメージ価値」



                  この3つの価値がブランドをつくる際に(再生も含め)

                  重要な鍵となると書かれています。




                  その他にもブランドを確立する上で、

                  「eコマース」

                  「M & A」

                  「ターンアラウンド(ブランド再生)」

                  「イノベーション」

                  「マネジメントの重要性」

                  など

                  充実した内容となっています。



                  「ビジネス本」「自己啓発本」と言いつつ、

                  読んでみたら自社の宣伝本では?と感じる書籍が多い中、

                  (正直、この本にもほんの少しだけそれは感じましたが)

                  読み応えがあり、

                  クリエイティブな仕事にたずさわっている人間には、

                  かなり勉強になると感じさせられる1冊でした。





                  デザイナー37人の仕事場

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                    クライアントのブランディングを手がけるデザイナー(クリエイター)なら、

                    自社のブランディングも、もちろんできていないといけないと思います。

                    他にはない付加価値をつけ、差別化をはかることが、

                    ブランディングのひとつの要素だと言えると思いますが、

                    そういったことの中に仕事場のあり方も、

                    大切な要素のひとつだと思います。



                    この本では

                    37人のデザイナーの仕事場のあり方、こだわり、考え方などについてを

                    写真や間取りなどもまじえて、紹介されています。

                    それぞれのコンセプトが明確にわかれており、

                    ここまでいろんな形のオフィスが見れるのは

                    純粋に面白いと思います。



                    自分のやり方に煮詰まったとき、

                    この本に目を通すと、

                    あらためて自分の方向性、今あるポジションなどがしっかり把握できるので、

                    重宝しています。




                    松下幸之助 「リーダーになる人に知っておいてほしいこと」

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                      本書は、松下幸之助さんが松下政経塾で語った、

                      「リーダーたるもの、またリーダーを目指す人たちに最低限心にとどめてほしいこと」

                      を厳選して、それを48項目にまとめたものです。


                      リーダーに向けて出された本のように思われそうですが

                      リーダーでなくても、とても参考になる言葉が語られています。




                      松下幸之助さんの著書によく出てくる言葉、「素直」。

                      例えば


                      「誰の言うことでも一応は素直に聞く。

                      いいなと思ったら素直に取り入れて実行する。

                      人の意見を聞くときは、虚心になって、私心をなくして、素直な心で聞く。

                      そうして他人の知恵才覚を授かる。」


                      「素直になれば、物事を色眼鏡で見ないようになる。

                      赤は赤、黒いものは黒くみえる。本質がわかる。

                      そういう心を養っていくと、正しいものを見られる。

                      したがって賢くなり、聡明になってくる。」



                      背伸びをして自分を良く見せたいと思うことより、

                      素直な心になり、等身大で、いかに物事の本質を見極め、

                      成長していくかが、成功の鍵になっているのでしょうね。




                      その他にも、心動かされる言葉が多々ありました。


                      「何事も基本となるのは、熱意でるある。

                      四六時中、頭の中は仕事のことでいっぱいになる。

                      そうなると不思議なもので、新しいことが浮かんでくるものだ。

                      浮かばないとしたら、それは熱意が足りないことにほかならない。」


                      「いやだな、つらいなと思っても、やらなければならないことがある。

                      その、いわば「修行」を捨ててしまうのは、みずから「宝」を捨てることになる。」




                      僕は何でも器用にこなす天才肌の人間ではないので、

                      実直で、純粋と感じさせられる松下幸之助さんの考え方は、

                      他の著名なリーダーたちと比べ、

                      とてもしっくりと、心に沁み渡ります。


                      おごらず、自分をしっかり見つめ

                      真摯に仕事と向き合いながら、

                      より頑張ろうと

                      あらためて感じさせてくれる一冊でした。






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